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和馬はいつだって優しかった。

いつも私のことを思ってくれて、いつも私のことを分かろうとしてくれた。

私は気が付くといつも和馬の優しさに包まれて支えられていた。

こんな人と出会えたなんて。

和馬に出会えたことへの感謝の気持ちがあふれて止まらなくなった。

『まあね、今は弱みでも叩かれて分厚くなればそれは強みになると思うから、それまで彼のこと支えてあげてよ。ね、よろしく頼むね』

「……はい。わかりました」

『じゃあ篠原君に代わって』

「はい」

和馬は私が泣きそうな顔をしたせいか、すごく心配そうにしていた。

「違うの、嬉しかったの」

私がそう言うと半信半疑に電話を受け取った。

「代わりました。……え?はい。……そうですね。あの、怜奈さんには……はい、ありがとうございます。はい、失礼します」

まだあまり納得していない表情で和馬は電話を切った。

「ハル、大丈夫?」

「うん」

和馬は両手を広げて差し出した。

「おいで」

愛おしくて胸が痛くなって、私は和馬に抱き付いた。

「どうしたの?何か言われたの?」

和馬は私の髪を撫でながら聞いてきた。

「和馬のことを支えてねって」

「ふーん」

和馬はまだ今一つわからない様子で不満げな顔をした。
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