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昨日の夜も甘過ぎて切なくて苦しかった。

こんなに求められることがあるなんて、思わなかった。

でも、私も求めている。

自分からしたいと思うなんて、今まで考えたこともなかった。

和馬はいつも優しくて、小さな仕草一つからも愛されていることをすごく感じる。

和馬が冷静に私を見ていることはわかっているのに、私はいつも我慢できなくて、わけがわからなくなって、夢中になってしまう。

このまま溶けあって一つの何かになってしまいたいのに、どんなに求めてもそうはならないから切なくなる。

でも、二人だからこうしていられるんだよ、と和馬に言われた。

それはそう。

別々の人間だから、こうやって愛し合って、話し合って、お互いを知ろうとして、そうやって一緒に生きていくんだよね。
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