ページをめくって
家に帰って、昨日からやろうと思っていたことに着手した。

それは平日用のストック作り。

昨日和馬に一緒に買い物に行ってもらったから材料は揃っている。

下ごしらえをした物を冷凍しておいて、それを平日に使うとすごく楽だから、休みの日にたくさん作っておきたい。

そういう作業は好きだからいいけど、でも、残業のことも少しは考えた方がいいなと思い始めていた。

いつも帰りが遅くなって、それから作るから和馬も心配するんだと思う。

もう少し早く帰りたい。

今までそんなこと考えなかった。

今まで何でも断らないで、どんな仕事も受けてしまっていたけど、それってどうなんだろう。

自分の仕事はもちろんきちんとやるけど、自分の役割ではない仕事も受けてしまっていたし、何より断れないだけで自分の時間を削っているなんておかしい。

これからは少なくとも課長がやるべき仕事だけでも断ろう。

課長は私なら断らないと思って頼んできているのが見え見えだった。

課長には課長の仕事に戻っていただく。

私はもっと和馬と一緒にいたい。

時間は作る気にならないと作れないと思う。

だから、明日からは自分も大切にできるような仕事の仕方をしよう。
< 490 / 522 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop