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電話をしてるところに和馬が帰って来たら悪いなと思って、リビングではなく寝室で電話をかけた。

通話ボタンを押してコールが鳴ったら、なんか緊張してきた。

「もしもし、遥ちゃん?」

「うん」

「元気?」

「うん、お母さんはどう?」

「元気よー、相変わらず」

変わらないお母さんの声。

何から言おうかな。

「あのね……」

少し言葉に詰まる。

「子どもの頃、同じマンションに住んでた和馬くん覚えてる?」

「覚えてるよ。眼鏡かけた色白の子でしょ?」

やっぱりそういうイメージだよね。

なんて言おう。

「急なんだけど、和馬くんと一緒に住むことにしたんだ」

「え……?一緒に住むって男の子じゃない?」

「うん。お付き合いしていて、一緒に住むことにしたの」

「そんな、……同棲ってこと?」

「うん」

「……」
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