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寺嶋君は、ばらしてやるとか言っていた割に、変な噂話も流さず何もしてこなかった。
でも、寺嶋君が何もしてこなかった理由はすぐにわかった。
いつも帰りが遅くてすっかり顔見知りになった夜の警備員さんが実は将棋好きで、和馬の顔を知っていたのだ。
その警備員さんが、同じく将棋好きの総務部長に、和馬が私を迎えに来ているって話をしたらしい。
総務部長がそれを管理職会の合間にひまつぶしで喋ったもんだから、あっという間にその話は社内に広がっていた。
私はすっかり「将棋の人と付き合ってる子」として噂になっていて、もう寺嶋君が私に何かできるような状況ではなかった。
そういう意味では良かったけど、社内で注目なんてされたことがないから、なんだかとても居心地が悪い。
総務部長から「君、でかしたね。サイン貰ってきて」と言われた時には本当に驚いた。
え?サイン?
サインなんてあるの?
そんなの、知らなかった。
なんか芸能人みたい……。
でも、寺嶋君が何もしてこなかった理由はすぐにわかった。
いつも帰りが遅くてすっかり顔見知りになった夜の警備員さんが実は将棋好きで、和馬の顔を知っていたのだ。
その警備員さんが、同じく将棋好きの総務部長に、和馬が私を迎えに来ているって話をしたらしい。
総務部長がそれを管理職会の合間にひまつぶしで喋ったもんだから、あっという間にその話は社内に広がっていた。
私はすっかり「将棋の人と付き合ってる子」として噂になっていて、もう寺嶋君が私に何かできるような状況ではなかった。
そういう意味では良かったけど、社内で注目なんてされたことがないから、なんだかとても居心地が悪い。
総務部長から「君、でかしたね。サイン貰ってきて」と言われた時には本当に驚いた。
え?サイン?
サインなんてあるの?
そんなの、知らなかった。
なんか芸能人みたい……。