ページをめくって
「お疲れさま」

「明日って何?」

「明日ね、対局なんだ」

「えっ!そうだったの?……ごめんね、また前の日なのに迎えに来てもらっちゃって」

「いいんだよ。その方が僕は安心だから」

「でも私、知らないなんて……」

明日対局だなんて、全然知らなかった。

調べればわかったのに。

私、こんなんでちゃんと和馬のこと支えられるのかな。

「大丈夫だよ、いつも支えてもらってる」

見上げると、和馬は繋いだ手をギュッと握って少し苦笑いをした。

また見透かされちゃった。

私、ホントにすぐ顔に出ちゃう。

「教えてくれれば良かったのに……」

「教えたら来ないでって言われそうだから」

来ないでって言っても来るくせに。

来てくれるのは嬉しいけど、本当に大丈夫なのかな。

「じゃあ、今日はカツ丼作ろうかな」

「あはは、いいね。そういうの」

「じゃあ、お買い物して帰ろ?」

「うん」
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