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和馬が家を出たのは朝５時前だった。

見慣れないスーツ姿の和馬はすごくかっこよくて、つい見蕩れてボーっとしていると、和馬はそんな私の気持ちを見抜いたかのように、ニヤッと笑って「いってらっしゃいのキスは？」と言った。

背伸びをして、軽くキスをするつもりだったのに、唇を重ねたら大きな手で頭の後ろを押さえられて、しばらく離してもらえなかった。

ちょっと強引な感じに、赤くなって困った顔をしたら、和馬は嬉しそうに微笑んだ。

「じゃあ、いってきます」

「いってらっしゃい」

私が手を振ると、和馬は手を上げて応えた。

新幹線で行くらしいけど、やっぱり前の日から行くべきだったんだと思う。

急に新幹線が止まったりしたら行けなくなってしまうし。

こんなに朝早く出かけるのも大変だし。

次からは私も日程とか調べて、気を付けておこう。

それに本当はどうしているのか、ちゃんと教えてもらおう。

帰りは夜になるって言ってた。

ご飯を作って待っていようかな。

何にしよう。

和馬が好きな物。

でも、和馬は何でもおいしそうに食べてくれるからな……。
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