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「無理はしないこと」

「え?」


一瞬何を言われたのか、わからなかった。

「だからさ、無理しないで。何か作ってくれるのは嬉しいけどね。作りたくなかったら別に作らなくてもいいし、忙しかったら何もしなくていいから」

「……なんで、そんなこと言うの?」

「飯炊き女って言われてたって聞いたから」

いやだな、私。

酔っ払ってそんなことまで喋ったんだ。

確かに、浩介に「飯炊き女のくせに」ってよく言われてた。

私、和馬に何をどこまで話したんだろう。

「……ホントやだな。私、そんなことまで言ったの?」

「うん」
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