地味でマジメなOLと若きプロ棋士。幼馴染だった二人の再会から恋が始まります。
“私”と“僕”、章毎に一人称の語り手(視点)が入れ替わる構成ですが、彼の独白が特によかったです。男性の繊細で優しい恋心に胸キュンです。
棋士という彼の設定がすごく効いています。台詞の端々にあらわれる策士らしい理知的さ、勝負師らしい男っぽさ、鋭い観察眼。温厚でいかにも草食系な彼ですが、己を知ってる強靭さが素敵。25歳らしからぬ老練な大人の魅力が光ります。知性があって機知に富んでいて、棋士ってカッコいい!
辛く悲しいエピソードもありますが、揺るぎない愛がそれを覆っていて、穏やかな気持ちで読み進めることができます。自分らしさを取り戻していく彼女の姿が、とても力強く清々しいです。
彼のガチでドSな溺愛ぶりが最高!(笑)ぜひご堪能いただけたらと思います。