芸能人とスキャンダル!?―ありえない恋―
「どないしてん?」
とりあえず志乃を座らせて、
お茶を出した。
「・・・。」
「何か言わんと・・・分からんよ?」
相変わらず、涙を流し続けるだけの志乃。
(笑美・・・・、)
笑美の事も、頭にはあったけど。とりあえず志乃を落ち着かせる事を優先した。
「・・・竜雨に・・・、」
小さくそう呟いた志乃。
「竜雨君が・・・?」
「はっきり、拒絶された。」
その言葉で、大体の検討がついた。
「今日・・・、竜雨に会ってきたの・・、だけど迷惑や。って・・・・」
志乃は、別れてからも竜雨君の事が好きで。けど、竜雨君には今新しい彼女が居る。
「私・・・、ずっと好きだったのにっっ・・・!なのにっ・・・」
今俺、めっちゃ殺し文句言われてるやん。
「あんな、志・・・」
「作ちゃん・・・!!」
俺の声が遮られて、志乃が飛び付いてた。
「ちょ・・・志乃っ!?」
そんな志乃を、涙流す志乃を、離す事は出来なくて。
ーバタンッッ!!!
思い切りドアが閉まる音がした。
(笑美・・・・・・!!!)
確証はないけど、確実に笑美や。
「ごめん志乃、俺にも大切な人居るねん。ごめんっ、」