芸能人とスキャンダル!?―ありえない恋―


「どないしてん?」


とりあえず志乃を座らせて、
お茶を出した。


「・・・。」


「何か言わんと・・・分からんよ?」


相変わらず、涙を流し続けるだけの志乃。


(笑美・・・・、)


笑美の事も、頭にはあったけど。とりあえず志乃を落ち着かせる事を優先した。


「・・・竜雨に・・・、」


小さくそう呟いた志乃。


「竜雨君が・・・?」


「はっきり、拒絶された。」


その言葉で、大体の検討がついた。


「今日・・・、竜雨に会ってきたの・・、だけど迷惑や。って・・・・」


志乃は、別れてからも竜雨君の事が好きで。けど、竜雨君には今新しい彼女が居る。


「私・・・、ずっと好きだったのにっっ・・・!なのにっ・・・」

今俺、めっちゃ殺し文句言われてるやん。


「あんな、志・・・」


「作ちゃん・・・!!」


俺の声が遮られて、志乃が飛び付いてた。


「ちょ・・・志乃っ!?」


そんな志乃を、涙流す志乃を、離す事は出来なくて。


ーバタンッッ!!!


思い切りドアが閉まる音がした。

(笑美・・・・・・!!!)


確証はないけど、確実に笑美や。

「ごめん志乃、俺にも大切な人居るねん。ごめんっ、」
< 151 / 304 >

この作品をシェア

pagetop