冬に咲くヒマワリ


「…じゃあ、」と口を開いたあたしは膝を抱えて携帯を持つ手に力を込めた。


「じゃあ、あたしが東京に会いに行く。」

『え?』


恭平は新入社員ながらも既に期待のエース。

会う約束をしていた日もお偉いさん達との食事会に誘われて、最終の飛行機にも間に合わないと言う。



それなら、あたしが恭平に会いに行く。

そうでもしなきゃ、この気持ちは収まらない。



だけど恭平は
『ダメ。』、そう言ってそれすらも拒んだ。


「どうして?そうすれば会えるんだよ?」

『ダメだって。沙映は極度の方向音痴だし、東京はそっちと違って危ないんだぞ?』


溜め息と共に聞こえたライターの音。

止めたはずなのに、また吸い出したの?




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