冬に咲くヒマワリ
…何より、君が
「社長。」
その呼ばれ方は、一ヵ月経った今でも慣れない。
「…何?」
ジャンプから視線を上げて、俺よりも年上の社員がペコリと頭を下げた。
そしてメタボリックな腹を作業着で隠しながら
「本日の、報告会議なのですが…。」
部下の男はそう言って俺の顔を伺うように尋ねてくる。
「あ~…。俺はパス。適当にやっといて。」
ヒラヒラと手を振りながら再びジャンプを読み出す俺。
「…いや、でも…。」
「でも、何?俺が居たって居なくたって話す事は一緒だろ?」
ギロリと睨み付けると、観念したのか
「わ、わかりました。」と慌てた部下は尻尾を振りながら逃げた。
…ったくよー。
イチイチ俺に確認しなくていいっつーの。
俺は溜め息を吐いて
ジャンプを乱暴にデスクへ投げた。