冬に咲くヒマワリ
『とにかくダメ。お盆は必ず帰るから、お願いだから待っててよ。』
な?と子供を宥めるような口調であたしに問いただす。
心の中にモヤモヤが生まれて、霧がかかったような気持ちが広がる。
でもこれ以上、恭平を困らせちゃいけない。
嫌われたくないもん。
「…わかった…。」
『ごめんな。俺だって会いたいんだよ。』
なら、どうして?
その言葉は無理矢理喉の奥に引っ込めた。
「恭平のバカ!バカバカバカっ!」
電話を切って、クッションに八つ当たり。
行き場のない思いと、恭平への不満だけがこの部屋を包んだ。
写真立ての中で寄り添う二人。
あの頃は幸せで
恭平があたしを見てくれてるってだけで、笑っていられたのに…。
離れちゃうと、不安で仕方ないのは
あたしだけなのかなぁ?