冬に咲くヒマワリ
予定がパタリとなくなった俺は、暇を持て余した挙げ句
適当に街をぶらつきながら携帯で俊介に連絡を取った。
「俊介?暇なんだけど。」
『はぁ?お前、最近連絡来ねぇと思ったら突然何?』
「わりぃ、ちょっと仕事忙しいんだよ。」
ポケットに手を突っ込み肩まで伸びた髪の毛をかき上げ
いい加減切ろ、と思う。
『つーかヒロ、仕事してんの?』
「してるっての!こう見えて社長ですから。」
『へぇ~。で、どうゆう風の吹き回し?』
「いや、別に……。」
そこで会話は途切れた。
いや、正確には
俺の言葉が止まった。
足も、視線も、全てが
そこに向けられて。
「世里菜っ!!!」
気が付けば、俺は世里菜の腕を掴んでいた。