冬に咲くヒマワリ
「何してんだよ!!」
俺の言葉に、世里菜は小さく俯いた。
賑わう街の裏路地。
派手なネオンが輝くラブホテル街の片隅で俺は荒い息を吐きながら世里菜を見つめる。
彼女の隣には
中年のオヤジがオロオロしながら俺と世里菜を交互に見合わせてた。
…どこかで見た事がある顔だと思った。
あぁ、そうだ。
俺と同じで、いつも世里菜を指名してたオヤジ。
「行くぞ。」
俺は世里菜の腕を引いてラブホテル街に背を向ける。
苛立ちが収まらない。
それと同時に強い焦燥感が俺を襲って。
「…っ離して!」
パシン、と風を切るような音で世里菜に視線を向けた。
「何なの!?いちいちあたしに干渉しないで!」
涙を目に溜めた世里菜がやっぱり、誰よりも愛しくて。