冬に咲くヒマワリ
何より、君が
一番、大切で。
「…子供の為か?」
尋ねた俺に世里菜は
「何がいけないの!?生きてく為には仕方ないじゃん!あんたみたいな金持ちにあたしの気持ちなんかわからないっ!」
そう言って、冷たい地面に泣き崩れた。
「放っといてよ…。もうこれ以上、あたしの中に入って来ないでよ…。」
綺麗に巻かれた世里菜の髪の毛が、彼女の涙を隠してる。
俺は何も言わずにしゃがみ込んだ世里菜を抱き締めた。
ふんわりと香る、彼女の香水。
俺の腕に収まる彼女は
あまりに華奢で
これ以上強く抱き締めたら壊れてしまいそうだった。
それでも、腕に力を入れたのは
今にも消えてしまいそうな彼女を
離したくなかったから。