冬に咲くヒマワリ


時たま子供をあやしながらそう言った世里菜。


世里菜は中学からの友達で、つい最近子供を産んだ。

だけど子供の父親は、世里菜が妊娠したとわかった瞬間、逃げてしまったそうだ。



だから、世里菜は未婚の母。

一人で育てる決意をした彼女を、あたしはまだ少し理解出来ないでいた。



「でも、来るなって…。」

「んなの、口で言ってるだけで実際会いに行ったら絶対嬉しいに決まってんじゃん。」

「…そうかなぁ?」


そうだよ。と煙草を灰皿に押し付けた世里菜は子供に高い高いをしてあげる。

菜々美(ななみ)と名付けられた赤ちゃんは
きゃっきゃと声をあげて喜んだ。



「あたしも東京行くからさ、一緒に行けばいいじゃん。」

「え!?世里菜、東京行くの!?」



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