冬に咲くヒマワリ
沙映ならではの悩みだと思った。
昔から沙映は恋愛に対して臆病というか
不安を募らせる事は多々あって。
その度に相談を受けるあたしは、そんな悩みを持つ沙映を羨ましく思った事もある。
可愛くて、天然で
健気に恋をする沙映は
本当に女の子って感じ。
あたしとは
まるで正反対だ。
「でも、来るなって…。」
今にも泣きそうな瞳を揺らしながら、沙映はポツリと呟いた。
「んなの、口で言ってるだけで実際会いに行ったら絶対嬉しいに決まってんじゃん。」
「…そうかなぁ?」
そうだよ、と煙草を灰皿に押し付けたあたしはベビーカーから菜々美を持ち上げてじゃらしてあげた。
喜ぶ菜々美の笑顔が、あたしを優しくさせる。