冬に咲くヒマワリ


上京してすぐ、部屋を借りる契約を済ませた。

親には電話をして
荷物を送って、と手続きをしてもらったし

あとは仕事を見つけるだけ。



歌舞伎町の歓楽街に視線を向けると
いくらでも仕事を見つけられるような気持ちになる。



そして再び沙映に視線を向けると、揺れる彼女の瞳から不安が溢れ出していた。

「ま、何かあれば携帯鳴らしてよ。とりあえずタクシーに乗って住所言えば連れてってくれるから。」

「わ、わかった!」



あぁ、この子泣きそうになってるよ。


心配だな、と思いながらも

「ちゃんと、抱き締めてもらいな。んで、不安なんか蹴り飛ばせ!」

そう言って力強く沙映の肩を叩いた。




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