冬に咲くヒマワリ



本当は一緒に行ってあげたいんだけど
そうも言ってられないからな…。


「ありがと…。」

と唇を噛み締めた沙映に名残惜しさを感じながらも

「ん。じゃあ、またね。」

そう言って菜々美を抱えながら歌舞伎町へと歩き出す。




…きっと、沙映なら大丈夫。


心の中で呟きながら
歓楽街に足を踏み入れて辺りを見渡したあたし。




仕事は、あっけなく決まった。

たまたま話をかけてきた男は、そこの店のオーナーで。


所謂、今は禁止されてるキャッチで掴まったんだけど

『時給5000円』っていう金額は、あたしが住んでたあの田舎とは比べ物にならない金額で。


何より、子供の居るあたしにとって託児所付きはかなりの好条件だった。




「明日から来られる?」

「はい!」


そして、ここから
あたしの戦いが始まったんだ。




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