冬に咲くヒマワリ


二人の笑顔があたしに向けられる。


あぁ、もう。
二人して、何なのよ。



菜々美の笑顔は
あたしの生きる糧。

だけど、ヒロくんの笑顔も今のあたしにとってはなくちゃいけない存在になってて。



「何でもない。ご飯、食べて行くでしょ?」

「あぁ、軽く食べようかな。」


問いただす事を諦めたあたしは、その足でキッチンに向かうと
三人分の朝ご飯をテーブルに並べた。



「じゃあ、俺行くね。」

「うん、頑張ってね。」

そう言いながら、菜々美を抱えて玄関前で彼を見送る。



「世里菜。」

「ん?何?」


名前を呼ばれて顔を上げると

「はい、いってらっしゃいのキス。」

そう言いながら唇を差し出してきた。



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