冬に咲くヒマワリ



「…どうしたの、その荷物。」

当日。
駅で待ち合わせた世里菜は、会うなりあたしのキャリーケースを見て目を丸くした。



「何泊する気?」

「…え?に、二泊、くらい?」

「…あそう。まぁ、いいけど。」


ベビーカーに乗せた菜々美ちゃんを押しながらアップにした髪の毛から後れ毛が落ちる。

そんな世里菜を慌てて追い掛けて空港へと向かう電車に乗り込んだ。



「東京まで、どのくらいかなぁ?」

「さぁ。2時間くらいじゃん?」

ホットパンツから伸びる世里菜の美脚に見とれながら、あたしは恭平を想っていた。



初めての東京。

テレビでしか見た事ないけれど、恭平はそこに居る。



やっと、やっとなんだ。




待っててね、恭平っ!



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