冬に咲くヒマワリ
飛行機の窓から
遠ざかる地元を目で追い掛け、世里菜と話をしていたら
あっという間に東京に着いてしまった。
ほんの数時間。
それだけで着けちゃう東京。
悩んでた自分がバカらしくなる程、本当にあっという間だった。
「な、何これ…。」
空を覆うような高いビルに、蟻の群のような人込み。
焼け付くような日差しは住んでいるあたしの地元とは比べ物にならなず、ただただ目を凝らしながら世里菜の背中を追い掛ける。
一瞬でもよそ見してしまえば、世里菜は見えなくなりそうだ。
「沙映!ほら、こっち!」
「ま、待って!」
こんな所で恭平は生きているの?
アスファルトから出る熱気で、既にあたしはフラフラだ。
東北生まれのあたしにはこの太陽はまるでサウナのよう。
とにかく熱かった。