冬に咲くヒマワリ


ネオン街に消えてゆく世里菜を見届けて
あたしは小さく拳を握った。


頑張って、世里菜。

世里菜が背負ってるものはそう簡単に済むような事じゃないけど
きっと世里菜なら。


あなたなら、大丈夫。



小さくなった世里菜の背中に心の中でエールを送り、あたしは踵を返して東京の街を歩き出す。


そしてタクシーを停めたあたしは、運転手に恭平の住所が書かれた紙切れを手渡した。

腕時計が差す時間は夜10時。


日付が変わる頃には帰ってくるだろうし、恭平を待ってるのは苦痛じゃない。

会えるんだと思えば
そんな時間さえも愛しくなる。



どこか浮き足立った気持ちで東京の街をタクシーの窓から眺めた。

信号の多さに驚きながらも、あたしの心はきらびやかな街並みに瞳を奪われる。



…恭平の瞳にも、この景色が映ってるのかな。



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