冬に咲くヒマワリ
結局、どうする事も出来なくてフラフラと歩いてる時にたまたま見つけたビジネスホテルに泊まった。
鳴り続ける携帯に残る着信。
それが誰からかわかっていたけれど、確認しないまま電源を落とした。
電話越しに言い訳して欲しいんじゃない。
追い掛けて、そのまま抱き締めてくれたら
きっと許せてた。
だけどもう、ダメだよ。
それじゃ
ダメなんだよ、恭平。
朝一の飛行機で帰るつもりだったのに、目が覚めた時にはお昼を過ぎていて。
「帰らなきゃ…。」
まだ朦朧とする意識の中で、昨日の出来事だけがリアルに頭に浮かぶ。
鏡に映る、泣き腫らした自分の顔があまりに滑稽だった。
そのまま適当に化粧をしてホテルを出たあたしは空港でキャンセルの出た空席を運良く取る事が出来た。
遠ざかる東京から視線を逸して、空に浮かぶ鉄の塊の中に体を預ける。