冬に咲くヒマワリ
どこまでバカなんだろ、あたしって。
お礼も言わずに、キャリーケースを受け取った。
空が、青い。
あたしの気持ちも知らないで、綿菓子みたいな雲はプカプカと空を泳いでる。
本当は、何か言って
恭平とはさよなら、って叫んでやりたいけど
そこまでの勇気がないあたしは
やっぱり恭平が好きで、今目の前に居る彼が愛しくて仕方なくて。
…やっぱ、バカなんだなあたし。
浮気現場まで見させられてもまだ好き、だなんてどこまでも救いようがない。
恋は盲目、だなんて誰が言い始めたんだろう。
「沙映、」と俯いたあたしに恭平が口を開いた。
「…東京には来るな、ってあれだけ言っただろ?」
「…………。」
あぁ、やっぱり。
恭平、怒ってるよね。
喜んでくれる、なんて我ながら過信しすぎ。
だから、あたしはバカなんだ。