冬に咲くヒマワリ
「もしもし?恭平?」
『どうした?何かご機嫌じゃん。』
電話越しに聞こえる恭平の声に思わず顔が綻ぶ。
「あのね、実は…。」
『うん。』
「ふふふっ。」
『何だよー?何?』
焦らされて恭平は
『も~沙映、気になるだろ!』
そう言って声を大きくする。
だって嬉しいんだもん。
…だってね?
「東京の出版社、内定もらっちゃった!」
『えっ!?マジ!?』
やったーっっ!と声を高めた恭平の声に
あたしは電話から耳を離した。
そのくらい大きな声だったから。
ねぇ、恭平?
未来に、『絶対』なんてないけれど
それでも『きっと』はあると思うから。
だから、距離さえも飛び越えてまだ見えない未来に二人で。
ずっと、二人で。
居られたら、いいよね。
【Distance】 fin,