冬に咲くヒマワリ
彼の返事を聞く前に、イスを引いて隣に腰を降ろす。
「瀬宮先輩、どうしたんですか?」
「先輩、なんてやめてって言ったでしょ?敬語も使わなくていいから。」
さり気なく五十嵐くんの肩を叩く。
ボディタッチはあたしの癖だ。
これが男の人を落とすのに効果があるとテレビでやっていた時
妙に納得したのを覚えてる。
狙った獲物は、逃がさない。自分の物にするまで絶対に。
百発百中のあたしの手に掛かれば五十嵐くんだってもう、あたしの物。
「ねぇ、合コン来ないの?」
「あー…桜井先輩にも誘われたんですけど…。」
俺は、いいです。
そう言って水を一口飲んだ。
桜井とは俊介の事。
どうやら俊介の言ってた事は本当のようだ。