冬に咲くヒマワリ
彼、恭平(きょうへい)と付き合い始めたのは
ちょうどアサガオが咲き始めた6月の終わり。
元々大学の先輩だった恭平は、学内でもすごく優秀な人で
誰からも好かれる、言わば好青年って感じで。
あたしの周りでも憧れてる人はたくさん居たし、まさか付き合えるなんて思ってなかった。
だから、正直驚いた。
飲み会の席で、何故か遊び半分で王様ゲームが始まって。
『じゃあー、3番の人!好きな人を発表して!』
『誰だ~3番!』
『…あ、俺だ。』
盛り上がる宴会で
王様から選ばれた恭平は困ったようにポツリと呟いた。
『えっ!?恭平!?』
『マジで!?』
お酒の匂いが辺りに飛び交って、みんなの視線が恭平に集まる。
当たり前だ。
あの人気者の好きな人なんて、みんなが聞きたいに決まってる。