冬に咲くヒマワリ
少しずつ人がまばらになる食堂で、あたしは頬杖をついて五十嵐くんを見つめる。
長い睫毛に、切れ長な横顔。
特別かっこいい、って訳じゃないけれど
それなりに整った顔に愛嬌のよさと、回転の早い頭のよさが彼を一層際立てた。
五十嵐くんはあたし達女子社員の中でも人気だ。
だけど誰にも譲ったりしない。
彼は、あたしが捕まえてみせる。
「彼女が居るから?」
「え?」
「遠距離の彼女。だから合コン来ないの?」
少しだけ距離を縮めて彼の顔を覗き込む。
「桜井先輩から聞いたんですか?知ってるなら話は早いですね。」
そう言って箸を置いた五十嵐くんは
「彼女の事、傷付けたくないんですよ。例え遠距離だとしても。」
と優しい顔で照れたように笑った。