冬に咲くヒマワリ
揺れる俊介の視線が真っ直ぐにあたしに問い掛ける。
「玲は、五十嵐の彼女を傷付けてまであいつと付き合いたい?」
ズキン、と胸が音を立てた。
「それって、五十嵐が最も悲しむ事なんじゃねぇの?」
「……………。」
あたしは俊介から視線を逸して床を見つめる。
怖かった。
俊介の真っ直ぐすぎる視線が、あたしに痛いほど突き刺さって。
だけど―――…
「なぁ?玲、」
「うるさいなぁ!もう放っといてよ!」
自分でも驚く程、大きな声が出た。
それでも、あたしはもう戻れない。
純愛?一途?
そんな言葉、この世にある訳ないじゃん。
あったら、誰もきっと傷付かない。
そうでしょ?
「綺麗事言わないでよ!正論ぶって、あたしの心の中まで入って来ないで!」