冬に咲くヒマワリ
そこまで言い捨てると
あたしは俊介が掴んでいた腕を振り払い、事務所へと続く廊下を走り出した。
走りながら、目頭が熱くなる。
『玲は、五十嵐の彼女を傷付けてまであいつと付き合いたい?』
うるさい!
もう、そんなのうんざりだよ。
所詮、男は女を求めて、女は男を求めるんだ。
それでいいじゃんか。
あたしは間違ってない。
『彼女を、傷付けたくないんですよ。』
それでも、欲しい。
あの横顔を隣で
あの瞳を目の前で
あの、笑顔をあたしだけの物にしたい。
気持ちは、止められないんだから。
誰にも、邪魔はさせないんだから!
勝算は、あたしにあるんだ。
彼女じゃない、このあたしに。