冬に咲くヒマワリ
……………
「いやぁ、こんな美人にお酌してもらえるなんて今日は酒が進むなぁ。」
「そんな、新垣社長もお口がお上手ですね。」
がははは、と古典的に笑った社長は髭を触りながら豪快に酒を浴びるように飲む。
とある料亭の座敷で
うちの社長と部長、それから選ばれた新人社員達が、新垣社長の笑い声に合わせて笑った。
あたしも新垣社長の隣で微笑みながら、チラリと彼に視線を向ける。
他の新人社員はガチガチに固まって
並ぶ懐石料理にも手を付けず、泳いだ目で苦笑いを浮かべた。
だけど一人、恭平くんだけは率先して部長にビールを注いだり
新垣社長の話に合わせて言葉を繋ぐ。
…やっぱり、恭平くんはそこら辺の男とは違う雰囲気を醸し出している。