冬に咲くヒマワリ
「恭平くん。」
ポン、と彼の肩を叩く。
「あ、瀬宮先輩。」
「も~先輩はいいってば!」
あははと笑って、恭平くんの隣に並ぶあたし。
明るい繁華街からネオンの光が眩しい程に街を騒がしく見せた。
「今日は疲れたでしょ?でも恭平くん、すっかり新垣社長に気に入られたみたいだね。」
「いや、瀬宮先…。瀬宮さんこそ。」
そう言って彼はネクタイを緩めてワイシャツのボタンを一つ外す。
…今日を逃したら、もうこんなチャンスはない。
何としてでも、彼をあたしに振り向かせたい。
「ねぇ、恭平くん。前に言ってた戦争映画、借りたいんだけど。」
「あ、DVDですよね。いいですよ、明後日会社に持って行きます。」
本当、かなりおススメですから!
そう言って、先程見せたような大人びた笑顔ではない、素の笑顔をあたしに向ける。
あぁ、本当可愛いな。