冬に咲くヒマワリ


「あ、でも出来れば明日見たいから、今日借りれるかな?仕事がある日はなかなか見れないし。」

あたしのお得意の上目遣いを恭平くんに投げてそう尋ねる。



「あ~…、まぁ、別にいいですけど。」

渋々と恭平くんは頭を掻きながら言った。



だけどそれでもあたしは
「ありがとう。」と返して、この計画を着実に進めてゆく。



家に上がり、体を使えばきっと彼は落ちる。

今までの男もそうだったように、裸になって抱き合えば
いくら彼女が居たってあたしを選ぶんだ。



そしてあたしという底無し沼に引きずり込まれて
そこからはもう、抜け出せない。


よく昔
『小悪魔』、なんて言われたけれど
女なんてみんな悪魔だ。

無意識に計算しながら、自分に合う男を探す。



男は本能で動くけれど
女はそれに頭を足して恋愛をするの。

この人でいいか、どうか見極めながら。



それにはまず、体を重ねなくちゃね。




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