冬に咲くヒマワリ
「恋愛としては、見れないけど!でも、仕事に臨む姿勢は、すげぇ尊敬してます!」
いつもの笑顔で、そう叫んだ恭平くん。
「瀬宮先輩は、俺にとって最高の先輩ですから!」
夜の雲間から照らす月の明かりが、そんな彼を滲ませた。
そしてそのまま、闇に消えた彼が見えなくなる。
「……“先輩”は、いらないってば…。」
そんな独り言が
虚しく夜空に溶けては消えた。
『瀬宮先輩。』
『彼女の事傷付けたくないんですよ。』
夏の向日葵、みたいな彼の笑顔。
欲しくて。
どうしても、自分の物にしたかった。
「…フラれ、ちゃった。」
積み上げた計画も、丸潰れ。
だけど、不思議と心は穏やかだった。