冬に咲くヒマワリ
ぼんやりとした頭で
気落ちしたままの気持ちを抱えながらコンビニに向かう。
俯き加減でアスファルトを見つめていたら
「玲!」と、呼ぶ声が聞こえてあたしは顔を上げた。
「…俊介、随分早くない?」
「瞬間移動だ。」
「はぁ?」
こんな時に冗談を言われても全然笑えない。
あたしは、今さっきフラれたのよ?
顔に出ていたのか、
「嘘だよ。さっき五十嵐が猛ダッシュで走って行ったの見たからさ。」
とスーツの上着を脱いだ俊介はワイシャツになってネクタイを外した。
「…何かあった?つーか何かあっただろ。」
「何よ、つーかって。」
「んだよ。心配してんだろー?」
「そんな事、頼んでないしっ!」
ぷいっと顔を逸して、俊介に背を向ける。