冬に咲くヒマワリ
「だけど…。」と呟いたあたしは
「…ありがとね、俊介。何か、少し元気出た。」
と背中越しの俊介に伝えた。
これは、お世辞とかそうゆうんじゃなくて。
ただ、本当に嬉しかったんだ。
こうして、あたしを気に掛けてくれる人が居るって事が
失恋の傷を癒してくれるなんて、今まで考えた事もなかったから。
しばらく続いた沈黙に
「…お前さ。」と俊介が呟いて、あたしは振り返る。
「ん?」
「…いや、何かやけに素直だから。」
「何よ、どうゆう意味?」
「明日、雪でも降るんじゃねぇかって思ったの!」
「はぁ!?」
何なのよ!
人がせっかくっ!
ケラケラと笑う俊介を追い越して、歩き出すあたし。
「もう、前言撤回っ!アホ俊介!」