冬に咲くヒマワリ
「桜井先輩!お疲れ様です。」
「おぅ、お疲れ。」
でも、何て切り出す?
合コン、行かねぇ?なんて、ちょっとストレート過ぎるし…。
あ~もう、面倒くせぇ!
「桜井先輩?どうかしたんですか?」
考え深げに困った顔をしてる俺に、五十嵐はハンカチで手を拭きながら問い掛けた。
「あ、いや!何でもねぇ!てか五十嵐、ハンカチとか持ってんのな。」
偉いなぁ、そう言って感心する。
「これは、何て言うか、習慣みたいなもんです。」
「習慣?」
五十嵐の言葉を、そのまま聞き返す。
事務所に戻りながら会話を交わし、五十嵐の横顔を見つめた。
「…彼女が、泣き虫なんですよ。それで、ハンカチはいつも持つようになって。」
「へぇ……。」
彼女の為、ね。
かっこいいじゃん。
……ん?彼女!?