冬に咲くヒマワリ
「五十嵐くん、どうなった?」
あぁ、それね。
俺は適当に返事をしながら
「あいつはダメ。残念だけど諦めろ。」
と顔の前で手を振ってダメダメと合図を送る。
「何でよ。ちゃんと言ったの?」
「言ったよ。だけどあいつ、彼女居るんだって。」
その言葉に、玲の顔が強張った。
更に『遠距離』だと伝えたら、そんなの理由にならないと怒る。
いやいや、立派な理由だろ。
やっぱり玲の恋愛観は理解出来ねぇ。
どうやら、自分で五十嵐に掛け合うらしい。
なら最初から俺に頼むなよなぁ。
まぁいいけど。
こんなの、日常茶飯事。
だから気にしちゃいねぇけど、玲が傷つけば俺だって傷つく訳で。
…俺の事、好きになれば絶対幸せなのにな。
なんて思う俺は、どうせ告白する勇気もない。
…弱虫だ。