冬に咲くヒマワリ


「はぁぁ。」

カランと鳴る氷が
溶けて焼酎に混ざっていく。

だけどちょうどいいかもしれない。


この店の焼酎は濃くて飲めたもんじゃねぇ。

ついでに化粧の濃い巻き髪の女も、香水を振り撒きながら笑顔を向ける女も、全て氷に溶けて消え失せろ。

女はショートカットに限るっ!



…玲のような、ね。



「お前、せっかく飲みに来てんだから溜め息なんかつくなよ。」

「あぁ…わりぃ。」

ふいに向けられた言葉に俺はヒロを見た。



ちなみに、ヒロとは俺の親友で。

何よりも、金が大好き。


女よりも金。
友達よりも金。

命よりも、多分金。


そう言うと聞こえは悪いけど、実際はかなりいい奴だと思う。

好き嫌いがあるけれど、俺はヒロが親友でよかったって思ってる。



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