冬に咲くヒマワリ


噂では耳にしてた。
恭平は卒業したら上京するって。

でもどんなに手を伸ばしても届かない、そんな存在だった恭平。



自分の彼になった途端、あたしの欲は目を覚まして、我儘になってしまった。

行かないで、なんて
そんな事を言ったら彼に嫌われる。


だけど、あたしは彼女だもん。

傍に居たいって思うのは必然的じゃない?





でも、恭平は言ってくれたよね。


『寂しい』って言うあたしに困ったように眉を下げて

『沙映、離れていても心は一つ。俺は離れたって好きで居る自信があるから。』

そう言って、優しく後ろから抱き締めてくれた。



…その言葉が、何よりもあたしを強くしてくれたの。

自信なんてない、不安だっていっぱいある。


だけど、そんな事よりもあたしは恭平が好きだから。

いっぱい好きだから。



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