冬に咲くヒマワリ
株でかなり儲けてるヒロは、俺が一ヵ月に稼ぐ給料の5倍くらい稼いでいて
つい最近、親が経営するハウスクリーニング会社の社長になった。
だけどそれすら下の社員に任せて自分は遊びほうけてるらしい。
「ねぇ、名前なんて言うの~?」
「え?」
急に話を振られて、
「あー…俊介、っす。」と仕方なく答えた。
安物のシャンデリアがバカみたいに輝く。
入り交じる男と女の話し声があちこちから聞こえて、キャバクラは何回来ても全く慣れない。
てか、つまんねぇ。
「俊介って言うんだぁ!あたしが好きな歌手と同じ!」
「へぇ、そうなんだ。」
…俊介なんて、歌手居たか?
そんな事をぼんやり考えながら、俺の意識は違う所に飛んでゆく。
…あいつ、マジで五十嵐の事好きなのか?