冬に咲くヒマワリ
「玲!!」
廊下に響く、俺の声。
そして肩を掴んだ俺は屈んで玲と目線を同じ高さにする。
「お前、本気なのか?」
「本気よ。当たり前じゃない。」
ただでさえ釣り目の玲が俺を睨み付け、威嚇してくる。
だけど俺は怯む事なく口を開いた。
玲には、傷付いて欲しくないんだよ。
「冗談言うなよ。相手は彼女が居るんだぞ?」
「……それが何?そんなの、あたしには関係ないし!」
俺の手を振り払った玲は早足で廊下を歩き出す。
だけど、俺は再度玲の腕を掴んで振り向かせた。
「離して!もう仕事に戻りなよ。」
「…玲、よく聞け。」
掴む手に力が入る。
玲の華奢な腕は
俺の手にすっぽりとはまって、その痩せた肩が震えているのがわかった。