冬に咲くヒマワリ


お前だって、本当はわかってるんだろ?


少し間を置いた俺は、玲に説き伏せるように呟いた。

「誰かが不幸になるってわかってて、手に入れた幸せなんて、本当の幸せとは言わねぇ。」



本当の幸せを手に入れたいなら、誰も傷付けちゃいけないんだ。

なぁ、玲。



どうしてお前は
俺を好きにならない?




「玲は、五十嵐の彼女を傷付けてまであいつと付き合いたい?」

自分の痛む胸をおさえながら、玲に尋ねる。



その言葉に、玲の瞳が揺れて。


「それって、五十嵐が最も悲しむ事なんじゃねぇの?」

「……………。」


その視線は、冷たい床に向けられた。




…頼むから。

わかってくれよ。




お前の傷付く顔は
俺だって傷付くって事。




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