冬に咲くヒマワリ


なのに、どうして?





「え?来られない…の?」

『…本当ごめん。どうしても間に合いそうにないんだ。』


ガチャン、と扉が閉まるような音が恭平の後ろから聞こえる。

時計の針は、既に日付を越えていて。


…こんな時間まで仕事だったんだ。

なんて思いながら口を閉ざす。




『沙映?怒ってる?』

怒ってるよ。
当たり前じゃない。
あたしがどれだけ楽しみにしてたか、恭平だって知ってるでしょ?


カレンダーに付けられたハートマークが歪んで見える。

久し振りにこっちに帰ってくると言った恭平。


会ったらまず抱き締めて欲しい、そしたらきっとこんなにも大きい不安でさえ消えてしまう。


あたしを幸せにしてくれるのも、不安にさせるのも

恭平ただ一人なんだよ?



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