冬に咲くヒマワリ
「お前、今どこ?」
揺れる車内で、鏡の中の運転手と目が合った。
俺の問い掛けに
『え?あ、んっと…。』
と周りを見渡してるのかカツンと何かがぶつかる音がする。
多分、玲の携帯のストラップがぶつかりあってるのだろう。
少し悩んだ様子の玲は
『N町のコンビニの近く…。』
と、小さく呟いた。
んだよ!さっき通り過ぎた所じゃねぇか!
「わかった、ちょっと待ってろ。」
とりあえずそう告げると
『え?ちょ、俊介?』
少し戸惑った玲の声が聞こえて、だけど気に止めずに電話を切った。
そして俺はタクシーの運転手に告げる。
「すいません、N町のコンビニ行って下さい。」
…早く、玲に会いたかった。