冬に咲くヒマワリ



「釣はいりません。」

そう言ってかっこよくタクシーを降りる俺。


て言っても、30円程度なんだけど。

まぁ、それはどうでもいいとして…。
俺はコンビニまで走り出す。



遠くに見える、玲の姿。

「玲!」と呼ぶと、あいつは顔を上げて言った。


「…俊介、随分早くない?」

「瞬間移動だ。」

と、照れ隠しで冗談を飛ばす。



何か、玲が真っ直ぐに見れない。

会うだけで、こんなにも嬉しくて。



だけど、玲にはそんな冗談が勘に触ったのか

「はぁ?」

とあからさまに怪訝な顔をされた。



…どうやら、俺は玲を怒らせるのが得意らしい。



「嘘だよ。さっき五十嵐が猛ダッシュで走って行ったの見たからさ。」

そう言って、スーツの上着を脱いだ俺はワイシャツになってネクタイを外す。



走ったら汗だくになってしまった。



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