冬に咲くヒマワリ


…あぁ、やべぇ。


どうしよ、俺。
やっぱ玲が愛しくて仕方ねぇ。




しばらく続いた沈黙に

「…お前さ。」と玲の後ろ姿に問い掛ける。

「ん?」

振り向いた玲の笑顔が、すんげー可愛くて。


俺は背広を肩に掛けて高鳴る胸を隠すように頭を掻いた。

「…いや、何かやけに素直だから。」

「何よ、どうゆう意味?」

「明日、雪でも降るんじゃねぇかって思ったの!」

あぁもうっ!!
バカか俺はっっ!



思い切って言っちゃえばいいんだよ!

『ずっと好きだった。』


だけど、そんな簡単に言えたら苦労なんかしねぇか。


そう思うと、顔を真っ赤にしてる玲がすげぇおかしくて。


俺は腹を抱えながら玲を無視して笑った。



「もう、前言撤回っ!アホ俊介!」

いつもの如く、怒った玲が俺を残して歩き出す。




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