冬に咲くヒマワリ


細い肩を揺らして歩く玲の後ろ姿を呼ぶ。


「玲!」


好きだよ。
ずっと、好きだった。



「何よ!」

不機嫌を露にする玲は振り返り、膨れっ面で俺を見据える。



「お前は、世界一いい女だよ!プライドが高くて高飛車でー。」

本当は、弱くて。
だけどその弱さを隠す為に強がってばかりで。

残念ながら、俺はお前のタイプじゃないけど。



「ちょっと!それ褒めてる訳!?」

俺の声に、懸命に大声で返事を投げてくる。


それでも
もう構わない。

「褒めてるよ!だって俺はそんな玲のたった一人の男友達だからな!」



こんな事言ったら
『友達』って枠から抜け出せない。

わかってる。



でも、それでもいいじゃんか。

片思いだって、そんなに悪くねぇよ?




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